「XMで利益が上がったら税金を払う必要ってあるのかな?」
「税金を払わなかったらどうなるんだろう」
XMで一定の収入があった場合、もちろん税金を納める必要があります。ただし利益を上げた人全員が、必ず税金を払う必要があるわけではありません。
以下の条件を満たしている場合に税金を払う必要があります。
これらの条件を満たす場合、必ず税金を支払わなければいけません。
また、XMは海外の業者だから税務署にバレることはないだろうと考える方もいるかもしれませんが、XMを含む海外FXの利益は税務署によって把握されているため脱税は必ず発覚すると考えていいでしょう。
そしてもし脱税が発覚すれば、無申告税や重加算税などの罰則を受けることになります。さらに悪質であると判断されれば逮捕され懲役刑が課される可能性もあります。
そのためにも、自分に税金を払う必要があるのかを正しく判断し、支払う義務がある場合は適切に確定申告と納税を行う必要があります。
そこで今回は
- XMで一定の利益が出たら税金を払う必要がある!
- XMの利益にかかる税金の課税方式と計算方法・税金シミュレーション
- XMの税金はどうやって払う?確定申告の時期と方法
- 税金を払わなかったらどうなる?
- XMの税金を払う上での注意すべき4つのポイン
- XMの税金を節税する4つのポイント
について詳しく解説していきます。
この記事を読めば、XMの税金に適切に対処することができます。
目次
1.XMで一定の利益が出たら税金を払う必要がある!
冒頭でお伝えした通り、XMで一定の収入があった場合、適切に確定申告を行い税金を納める必要があります。ただし収入があった全ての人が税金を納めなくてはいけないわけではありません。
税金を払う必要があるかどうかは、給与所得の有無や副業の収入などによっても左右されるため、
自分の場合に税金を払う必要があるかどうかを正しく判断することが大切になります。
以下の2つのポイントから、自分に納税の義務があるかどうかを確認していきましょう。
順を追って確認してきましょう。
1-1.XMでいくら利益が出たら税金を払う必要があるのか
冒頭でお伝えした通り、XMの収入に対する税金をはらう必要があるのは、以下の2つ条件のいずれかに該当する場合です。
②給与所得がなくXMの利益を含む収入総額が38万円を超える
一つずつ見ていきましょう。
①給与所得がありXMの利益が20万円を超える場合
一般にサラリーマンやOLとして働き、会社から給料として給与所得を得ている場合、XMの利益を含む所得が20万円以上あると税金を納める必要があります。
給与所得者の場合、給与所得以外の収入が20万円を超える場合、納税の義務が生じます。
このため、給与所得以外の収入がXMの利益だけの場合、XMの利益が20万円を超えなければ納税の義務はありません。
ただし副業など、XMの利益と給料以外に収入があった場合は注意が必要です
例えば
- オークションやフリマサイトでの転売収入
- 原稿料や講演料
- 印税
- アフィリエイトの収入
- LINEスタンプやイラスト販売サイトでの収入
- 仮想通貨取引の収入
などの収入があった場合、これらを全て合算して20万円を超えたら税金を払わなければいけません。
②給与所得がなくXMの利益が年間38万円を超える
給与所得者でない方については、自営業やフリーランスなどの個人事業主の方、そして専業主婦や学生など、様々なケースが想定されます。
これらの方々はいずれもXMの利益を含めた総収入が38万円を超える場合に税金を払う義務が生じます。
ただし、給与所得者のの場合と同様、XMの収入以外に収入がある場合はそれら全ての合算が38万円を超えれば税金を払わなければいけません。
反対にXMの利益以外の収入がない方の場合、XMの年間利益が38万円に届かなければ納税の必要はありません。
1-2.自分に税金を支払う必要があるかどうかを確認しよう
それではこれまでの解説を踏まえて、自分の場合に税金を支払う必要があるのかどうかを下の表を使って確認してみましょう。質問に順を追って答えていくだけで、自分に納税の必要があるのかどうかを簡単に判断することができます。
「税金を払う必要がない」にたどり着いた方は、今年は税金を払う必要も、確定申告をする必要もありません。
「税金を払う必要がある」となった方は、必ず確定申告を行い適切に納税を済ませる必要があります。
確定申告のタイミングや方法については、5.XMの税金はどうやって払う?確定申告の時期と方法から詳しく解説しています。
税金を払う必要がある場合、次に心配になるのはいくら支払う必要があるのかどうかです。次章からはXMの税金の課税方式と計算の方法を詳しく解説していきます。
2.XMの利益にかかる税金の課税方式
税金を支払う必要があるとなった場合、実際にはその税金はいくらになるのでしょうか。税金を計算するためには、まずXMの利益にかかる税金の課税方式にから確認する必要があります。
一般的に株取引や国内FXの利益に対する納税の方式は「分離課税」と「総合課税」2つの方式があり、どちらか好きな方を選ぶことができます。
しかしXMなど海外FXの取引によって得た利益の納税では分離課税を選ぶことができません。
分離課税と総合課税には以下のような違いがあります。
分離課税 | 総合課税 | |
---|---|---|
課税方式 | 所得の種類ごとに個別に課税される | 対象となるすべての所得を合算し、合計金額で所得税を計算する |
税率 | 15.315%(固定) | 5%~55%の累進課税 |
損失の繰越 | 損失は3年間繰越ができる | 損失の繰り越しはできない |
確定申告の必要性 | なし(損失を繰り越す場合のみ行う必要がある) | 一定の利益がある場合 必ず行う必要がある |
住民税 | 5% | 10% |
分離課税とは、簡単に言うと、特定の収入を給与所得や事業所得など、主要な所得から切り離して税を計算する課税方式です。
分離課税には
- 利益の金額にかかわらず税率は定率で20.315%(所得税15.315% +住民税5%)
- 確定申告の必要がない
などの特徴があるため、国内FXや株取引で利益を上げている人の多くがこの分離課税を利用しています。しかし残念ながら海外FX業者であるXMの利益に対して分離課税での納税はできません。
XMの利益の納税では必然的に総合課税での納税になります。総合課税には
- すべての課税所得を合算して税額を計算
- 税率は累進課税(税率は所得に応じて15%~55%)
などの特徴があります。
特に税率については、所得が増えれば増えるほど税率が上がることから分離課税方式に比べて大きなデメリットにもなっています。
また総合課税では確定申告が必要となる点もデメリットであると言えるでしょう。分離課税であれば確定申告は不要であるため、この点も大きな負担となります。
3.XMの税率は累進課税
次にXMの利益にかかる税金の税率について確認しましょう。
総合課税の税率は累進課税です。このため、海外FXであるXMの利益にかかる税率は所得の金額に応じて上昇することになります。
課税所得金額ごとの所得税の税率は、次の表の通りです。
所得金額の合計 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円未満 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
表をご覧いただければ一目瞭然ですが、所得税の税率は所得金額が増えるほどに確実に上がっていきます。
たとえば課税所得合計が330万円以下の場合は、税率は10%と低く抑えられますが、695万円を超えると税率は23%、900万を超えれば33%と、分離課税の場合の所得税率が一律で15.315%であることを考えれば、たいへん割高な税金を支払わなければいけないことになります。
またこれら累進課税で税額が決定する所得税に加えて、さらに
- 住民税10%(翌年度分として)
- 復興特別所得税2.1%
の納付が必要な点も忘れてはいけません。特に住民税については10%と税率が高いため、その金額もあらかじめ考慮しておく必要があるでしょう。
4.XMの税金のシミュレーション
では実際に支払う税金が具体的にいくらになるのか、次の2つのケースで支払う具体的な税金の金額をシミュレートしてみましょう。
- 給与所得者の場合
- 収入がXMの利益のみの場合(専業主婦や学生・専業トレーダーなど)
では確認していきます。
4-1.給与所得者の場合
まずはサラリーマンなど、会社から給与をもらっている方がXMで利益を出した場合について考えてみましょう。
以下の条件で税金を算出してみます。
- 職業:給与所得者
- 給与収入:400万円(年収)
- XMの年間利益:50万円
- 社会保険料控除:57万5000円
- 基礎控除:48万円
まず、総所得の合計は以下のようになります。
ただし、給与は全額が課税対象となるわけではなく、課税対象となる給与所得は、給与収入から給与所得控除を引いた金額になります。
このためまずは給与所得控除の金額を求めます。給与所得控除額は以下の表の税率によって計算されます。
給与収入 | 給与所得控除額 |
---|---|
55万円未満 | 55万円 |
180万円以下 | 収入金額 × 40% – 10万円 |
180万円超~360万円以下 | 収入金額 × 30% + 8万円 |
360万円超~660万円以下 | 収入金額 × 20% + 44万円 |
660万円超~850万円以下 | 収入金額 × 10% + 10万円 |
850万円超 | 195万円(上限) |
給与収入400万円の場合、給与所得控除は
¥4,000,000(給与収入)× 20%(税率)+ ¥440,000 = ¥1,240,000(給与所得控除)
となります。給与収入 400万円からこの給与所得控除を引いた金額が給与所得です。
¥4,000,000(給与収入)− ¥1,240,000(給与所得控除)= ¥2,760,000(給与所得)
この給与所得276万円にXMの年間利益を足した金額が総所得となります。
¥2,760,000(給与所得)+¥500,000(XMの年間利益)= ¥3,260,000(総所得)
となります。
そしてさらに総所得から社会保険料控除(¥575,000)、基礎控除(¥480,000)などが引かれ、課税所得が算出されます。
¥3,260,000(総所得)− ¥575,000(社会保険料控除)− ¥480,000(基礎控除)= ¥2,205,000(課税所得)
今回は独身のケースで計算していますが、扶養家族がいる場合は、さらに扶養家族手当などがここから差し引かれることになります
そして所得税は、この課税所得 ¥2,205,000に対してかかります。所得税は3章に表示した所得税率の表に従って計算します。
(¥2,205,000(課税所得)− ¥97,500(控除額))× 10%(税率)= ¥210,750 (所得税)
となり、所得税は210,750円となります。
またさらに、住民税(課税所得の10%)、復興特別所得税(所得税額の2.1%)も必要となりますので、支払う税金は
所得税 ¥210,750
住民税 ¥220,500
復興税 ¥4,425
税総額 ¥435,675
となります。社会保険料や住民税については住んでいる地域によっても若干の違いがありますので、およそ目安として参考にしてください。
4-2.収入がXMの利益のみの場合(専業主婦や学生・専業トレーダーなど)
では次に専業主婦や学生など、給与所得がなく収入がXMの利益のみの場合の税金の計算をシミュレートしてみましょう。
以下の条件で税金を算出してみます。
- 職種:専業主婦・学生
- XMの年間利益:200万円
- 基礎控除:48万円
課税所得はこの金額から基礎控除(¥480,000)を引いた金額になりますので
¥2,000,000(年間利益)− ¥480,000(基礎控除)= ¥1,520,000(課税所得)
様々な状況が考えられるためここでは考慮していませんが、もし国民年金や健康保険の支払いがある場合は、その金額も社会保険料控除として課税所得から差し引かれます。
この課税所得に対して3章の表で示した所得税率と控除が適用されます。
¥1,520,000(課税所得)× 5%(税率)= ¥152,000 (所得税)
ここから住民税(課税所得の10%)、復興特別所得税(所得税額の2.1%)も必要となりますので、支払う税金は
所得税 ¥76,000
住民税 ¥152,000
復興税 ¥ 3,192
税総額 ¥231,192
となります。やはり社会保険料や住民税については住んでいる地域によっても若干の違いがありますので、およそ目安として参考にしていただければ幸いです。
5.XMの税金はどうやって払う?確定申告の時期と方法
XMの税金を支払うためは、まず確定申告を行う必要があります。では確定申告はいつ、どのように行えばいいのでしょうか。
ここでは以下の2つのポイントから確定申告の手続きの方法を解説します。
では一つづつ確認していきましょう。
5-1.確定申告のタイミング
確定申告を行う時期は、毎年2月16日から3月15日とされています。原則としてこの期間に、税務署に確定申告書を出し納税を済ませる必要があります。(2020年度の確定申告はコロナ感染症の影響により締め切りが4月15日となりました)
この期間に前年分(前年1月1日から12月31日まで)の利益を、税務署に申告します。
ただし確定申告の期間は一つの目安であり、確定申告書が揃えば2月16日より早く書類を税務署に提出することもできますし、3月15日をすぎても5年間は申告を行うことができます。
申告が遅れることによる罰則規定はありませんが、できるだけ期限内の確定申告をお勧めします。
5-2.確定申告と納税の方法
XMの確定申告は以下の5つのステップで簡単に行うことができます。
ステップ1の書類の準備では、必要書類を各所から集める必要がありますが、それ以降のステップはパソコンとプリンタがあれば作業に戸惑うことはありません。
各ステップを簡単に解説します。
【ステップ1】必要な書類を準備する
まずは確定申告に必要な書類を手元に準備しましょう。書類は以下の3種類です。
・源泉徴収票(給与所得者の場合)
・生命保険や社会保険料の控除証明書
・経費の領収書
これらの書類を手元に置いて次のステップに進んで下さい。
【ステップ2】 1年分の取引履歴をダウンロード
次にXMの取引履歴を、利用しているツール(MT4/MT5)からダウンロードします。ダウンロードできたらファイルの「Closed P/L」の金額を確認してください。この金額がXMの取引における年間確定損益を示します。
【ステップ3】国税庁のWebサイトにアクセスして申告書を作成する
確定申告書の作成も、国税庁のウェブサイトを利用すれば簡単に行うことができます。以下のサイトを開き、指示に従って、これまでに用意した書類やファイルの情報を入力していけば、確定申告書が完成します。
【ステップ4】税務署に申告書を提出
次に作成した確定申告書類を税務署に提出します。税務署に提出する方法は以下の3つの方法があります。
・郵送
・直接税務署へ提出
・e-taxで提出
いずれの提出方法も準備する書類はほぼ同じです。
【ステップ5】税金を納付する
以下のいずれかの方法で税金を納めます。
①振替納税
預貯金の口座から引き落とす方法です。
②コンビニQR納付
QRコードを利用しコンビニエンスストアで納付します。
確定申告書作成時にQRコード決済を選択した場合、確定申告書の中に決済用QRコードが表示されます。
③電子納税
e-Taxを利用してインターネットバンキング等から納付する方法でし。以下のリンクから納付します。
④クレジットカード納付
「国税クレジットカードお支払サイト」からクレジットカードを利用して納付する。visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、TS CUBIC CARDが利用可能。以下のリンクから納付します。
⑤窓口納付
税務署の窓口で納付する方法です。納付書も全国の税務署の窓口に用意されています。
5つのステップごとのさらに詳しい解説については以下のページで詳しく解説していますので、ぜひご確認ください。
「XMの確定申告をわかりやすく解説!必要な手順と注意点がわかる」
6.XMの税金を払う上での注意すべき4つのポイント
XMの税金を支払う際には以下の4つのポイントに注意する必要があります。
これらのポイントを踏まえないで税金を計算すると、税額の計算を間違えたり、過剰に税金を支払ってしまう可能性もあるため、しっかりと確認しましょう。
では一つずつ確認していきます。
6-1.複数の口座を利用している場合は利益を合算する必要がある
XMでは一人最大で8口座まで同時に口座を持つことができますが、税金を払う際には、すべての口座の利益を合算して払う必要があります。
残念ながらMT4やMT5などXMの取引ツールには、複数の口座の損益を合算して表示する機能はないため、自分で損益の合計を計算しなければいけません。
それぞれ口座ごとに取引履歴をダウンロードし、ファイル右下に表示されている「Closed P/L」の金額を合算して利益を算出してください。
6-2.ボーナスは利益に含める必要はない
XMでは、入金時や口座開設時に獲得出来るボーナスがありますが、ボーナスを損益に含める必要はありません。
ボーナスが利益に含まれるかどうかは、そのボーナスが出勤できるかどうかで判断されることになります。XMの場合は出金できないため、ボーナスは税金を計算する上での利益としては計算しません。
出金可能かどうかについてはMT4やMT5のターミナル画面で確認できます。画面で残高と表示されているものは出金可能な資金、クレジットと表示されているものは出金できないボーナスです。
これを間違えると余分に税金を払ってしまう可能性もあるため、気をつけましょう。
6-3.国内FXの損益との合算には注意が必要
1章でも解説しましたが、国内FXや株式売買による利益がある場合は、課税方式によって税額が異なるケースもあるため、注意が必要です。
国内FXや株式売買の利益は、総合課税と分離課税の2つの課税方式のどちらか好きな方を選ぶことができます。
総合課税を選んだ場合は雑所得としてXMの利益と合算して税金を計算することになりますが、分離課税を選んだ場合は分離課税の所得にかかる所得税を別途計算します。
冒頭で給与所得がある場合は20万円以上、給与所得者でない場合は38万円以上の収入がある場合は確定申告を行う必要があることを解説しましたが分離課税の利益はこれらの金額には含まれないという点については注意が必要です。
6-4.損失繰越はできない
損失繰越とは、その年に損失が出た場合、その損失を翌年の収支に合算して控除が受けられる制度のことです。国内FXなど分離課税で申告する場合は損失が出た場合、3年先まで損失繰越を行うことができます。
しかし総合課税で税金を払うXMの税金は損失繰越を利用することができません。
この点でも、総合課税の海外FXと分離課税の国内FXで税制上の取り扱いが大きく違うため、確定申告の際には注意する必要があります。
7.税金を払わなかったらどうなる?
確定申告を行わず、適切な利益の申告が行われなければ、当然、罰則が課せられることになります。
もちろん申告をせずに税金を支払わなかった場合も、過少に申告し正しい税金を支払わなかった場合も、等しく罰則が用意されています。
以下の2つのケースについて解説しましょう。
では一つずつ確認していきます。
7-1.確定申告を行わなかった場合
税金を支払う義務があるのに申告を行わなかった場合には無申告税を支払わなければなりません。
税金を支払う義務があったにもかかわらず申告をせず、脱税を行なった場合はペナルティとして無申告税を支払うことになります。税率は以下のようになります。
無申告税の税率 | |
---|---|
利益50万円以下 | 利益の15% |
利益50万円超 | 利益の20%% |
例えば100万円分の利益を申告しなかった場合、
100万円 × 20% = 20万円
となり、20万円を通常の税金とは別に支払う必要があるということになります。もちろんこの無申告税は所得税には含まれません。
また脱税が悪質であると判断される場合はさらに重加算税(税率40%)が課せられます。このため重加算税が適用された場合、無申告税+重加算税でなんと60%もの税金がペナルティとして課せられることになります。
さらに悪質であると判断される場合は逮捕され懲役刑が課されるケースもあります。そうなってしまうと社会的信頼も失墜し、場合によっては会社を解雇されるという事態もありえます。
7-2.過少申告を行なった場合
利益を隠蔽して、意図的に税金を低く見積もって増税した場合は、申告漏れの金額に対して35%の重加算税が課せられることになります。
もちろん過少申告の場合も、悪質であると判断されれば逮捕の可能性もあります。
もちろん意図的な過少申告でなければ、重加算税は適用されることはありません。修正申告によって不足分の税金を払うだけでOKです。申告ミスによって罰せられることはありませんので安心してください。
何れにしても納税を怠る、また偽ることのリスクは大変大きく、決して金額の割に合うものではありません。確定申告と納税は必ず正しく行うことをお勧めします。
XMは海外FX業者だから、税務署もお金の流れを把握できないのでは、と考える方もいるかもしれませんが、実際には海外FXの利益であっても脱税は必ず発覚します。
XMのトレード自体は把握されてはいませんが、クレジットカードや国内銀行を使った証拠金の入出金履歴は全て把握されているため、脱税はここから簡単にバレてしまいます。
税金の申告に不正は通用しないという点をしっかりと認識しておきましょう。
8.XMの税金を節税する4つのポイント
これまで総合課税で課税されるXMの税金のデメリットについて解説してきましたが、総合課税であるがゆえにできる節税の対策もたくさんあります。
XMの節税対策には以下の5つの方法があります。
では一つずつ解説していきます。
8-1.経費を申告する
XMの利益の申告では、経費を申請して利益を相殺することで税金を減らすことができます。
もちろん申告できる経費は海外FXの必要経費として認められるものだけですが、幅広く認められるため、合算の金額は節税の効果としては大きいと言えます。
費用として認められるもので主なものとしては
・海外FX関連の書籍の購入費
・海外FXのセミナーや勉強会の参加費(会場までの交通費を含む)
・パソコンや携帯電話、周辺機器などの料金や修理、メンテナンス費用
・椅子や机などの購入資金
・通信費
・文房具や事務用品代金
などです。
また専業トレーダーの場合、取引を行なっている部屋の家賃や光熱費の一部が経費として認められるケースもあります。
申告できるかどうか迷う経費があった場合には、税務署に確認することをお勧めします。
また経費として申告した場合には、その領収書や支払ったことが証明できる書類を、最低5年間保管しておく必要があるため、誤って廃棄することがないように注意しましょう。
8-2.Zero口座の取引手数料を申告する
XMの Zero口座を利用している場合は、取引手数料を経費として申告することも忘れずに行いましょう。
Zero口座は、スプレッド幅がない代わりに、10万通貨あたり往復で10ドルほどの取引の手数料が発生します。この手数料もXMの経費として計上することができます。
一回の金額は少額ですが、取引量が多い人の場合は年間数万円になることも珍しくはないため、ある程度の節税効果を期待できます。
8-3.控除を申請する
確定申告では様々な控除を申請することができます。もちろん控除金額の合計は所得から差し引きされるため、課税所得は大きく下がることになります。
所得控除には以下のような様々なものがあります。
社会保険料控除 | 国民年金や厚生年金、健康保険料などを支払っている場合はその全ての合計金額が控除の対象になります。 |
---|---|
配偶者控除 配偶者特別控除 |
配偶者がいる場合は控除を受けることができます。ただし、配偶者の収入が133万円を超えないことが条件となります。 |
扶養控除 | 両親や子供など、一緒に住んでいる人がいる場合に認められます。両親などに所得がある場合は、生計が同一の場合は38万円、生計が別の場合は103万円まで控除が認められます。 両親などへの仕送りを行なっている場合も、扶養控除として申告することができます。一緒に住んでいる人の場合、その人の所得が38万円以下、生計が別の場合はその人の給与所得103万円以下の場合、控除が認められます。 |
住宅ローン控除 | 10年以上の住宅ローンを組んで住宅を購入した場合に受けることができる控除です。年末のローン残高の1%に当たる金額が所得税から控除されます。 |
iDeCo(個人型確定拠出年金) | 毎月の積立金が控除の対象になります。 |
生命保険料控除 地震保険料控除 |
その年に支払った全ての保険料が控除対象になります。 |
医療費控除 | 1年間に自分や家族のために支払った全ての医療費の合計が10万円を超えた場合を超えた場合、控除を申請することができます。 |
ふるさと納税 | 寄付額から2,000円をさし引いた金額が所得税から減額されます。 |
これらの他に、4章でも確認した給与所得控除(給与所得がある場合)や全ての納税者に適用される基礎控除(¥480,000)を合算すれば、控除の総額はたいへん大きな金額になります。
8-4.損益を通算する
総合課税で申告する損益は通算することができます。つまりXMの取引以外で損失がある場合はそれらを合算して課税所得を減らすことができます。
例えば
- XM以外の海外FX
- 仮想通貨取引
- 海外先物取引
など、総合課税で申告する投資で損失があった場合、これらの損失をXMの利益で相殺することができるわけです。もし該当の損失がある場合は、必ずそれを含めて損益の計算を行うようにしましょう。
まとめ
今回はXMの利益にかかる税金について詳しく解説しました。
XMで一定の収入があった場合には税金を納める必要がありまが、利益を上げた人、全てが必ず税金を払う必要があるわけではありません。
税金を支払う必要がなるのは以下のどちらかの条件を満たす人です。
②給与所得がなくXMの利益を含む収入総額が38万円を超える
これに該当しない場合は税金を支払う必要はありません。
XMの税金の課税方式は総合課税です。
総合課税には
- すべての課税所得を合算して税額を計算
- 税率は累進課税(税率は所得に応じて15%~55%)
などの特徴があり確定申告も義務付けられます。
また確定申告や納税を怠ると無申告税や重加算税などのペナルティを受けることになります。さらに悪質であると判断されれば逮捕され懲役刑が課される可能性もあります。
後半ではXMの税金を節税するための以下の4つのポイントしました。
- 経費を申告する
- Zero口座の取引手数料を申告する
- 控除を申請する
- 損益を通算する
XMを含む海外FXの利益は税務署によって把握されているため脱税は必ず発覚します。税金を支払う必要がある場合は、期限内に必ず確定申告と納税を速やかに行うことをお勧めします。